クロマキー合成とは
名前は似ているが某高校の合成ではない。
今の時代の動画撮影、特に映画などでは当たり前のように利用されている手法だ。
簡単にいうと、クロマキー合成というのは「オールグリーンの背景」のアレだ。
よくメイキングシーンで出てくるアレ。
このクロマキー合成をどうやって動画に活かしていくのか?
その手法を見てみよう。
ご覧のとおり、ほとんどの映画でクロマキー合成が使われている。
現実的に、大掛かりなエキストラやスタッフを用意することなく、CGだけでそれらを組み合わせることができるのであれば、予算的にも圧縮が可能になるというもの。
勿論、リアルなCGを用意するのであればそれなりに予算もかかるだろうけど、撮影期間を何日も確保してエキストラの衣装・小道具・演技指導・ギャラを考えれば、恐らく単純に安く済むんだろう。
クロマキー合成は、実は簡単にできてしまう
今は編集ソフトの品質がかなり上がっており、一般的なパソコンでも作成が十分に可能な範囲になっている。
合成の仕方は至って簡単。
まず、緑色の布を用意する。
主に通販などで安いものが出回っているが、この布が一番の勝負どころなので、なるべく良い物を使ったほうがいい。
特に、後ろが透けてしまうような薄手のものはダメだ。
可能であれば光も吸収できるようなフェルト素材がオススメだけども、これが案外高いので、自分の予算にあった物を購入すると良いだろう。
次に、その緑色の布を背景に動画の撮影を行う。
この動画撮影に使う機材も、ぶっちゃけ何でもいい。正直、スマホとかでもいい。
動画がPCに送れればOKなのだ。
今回はYoutubeからこの動画を拝借し、加工をしてみよう。
撮影と編集について
こういう動画を撮ったと仮定して進める。
この動画の背景にこういう内容を組み合わせたいとしたら、どうなるのか?
実際にやってみよう。
まずは元となる動画の編集する。
編集するソフトは「AdobeAfterEffects」だ。昔は非常に高額なソフトだったが、今はAdobeCCとして月額5000円で使えるようになり、非常にお求めやすくなった。
ソフトすらも購入する予算が無いのであれば、「クロマキー合成 フリーソフト」とかで適当に探してきてくれ。
編集する工程自体はさほど変わらないはずだ。
AfterEffectsを立ち上げてから
・エフェクト→Keying→Keylight
でKeylightのエフェクトコントロールを立ち上げる。
次に、項目の中にある「ScreenColour」をクリックし、スポイトで緑色をクリックして抽出する。
すると
このように、画面から緑色がスポっと抜ける。透過するのだ。
この時、撮影した緑動画の「光の兼ね合い」によっては、ノイズのようなものが入ることがある。
光の具合によって「スポイトで選んだ緑色」と違う緑色になっている部分が、抜け漏れているのだ。
前述したとおり、緑布の質によってもその辺りの反射が変わるし、光にムラがあるのであればここの編集時に苦労する。
できるだけ緑動画の撮影には注意しよう。
上記の通り、緑色を透過させたあとは、そのレイヤーの後ろに合成したい素材を差しこむだけ。
そしてちょこちょこっとエフェクトを付けてみる。
これで完成。
このように今の技術で行えば至って簡単なクロマキー合成だが、当たり前のことだが、「本気」でやるんであればそれなりの技術が必要だ。
自分自身がどの様な動画を作るのか、どこまでの水準で品質を高めるのか、を検討してから、色々挑戦してみてはどうだろうか?