【未知の世界】深海ってどんなところ?実は海の8割は深海だった!

深海・・・と聞いてどんな世界を想像しますか?

チョウチンアンコウみたいなちょっと奇妙な魚が泳いでいる真っ暗な世界でしょうか?もちろん、それも間違いではありません。

今回は、広大な海の深部にあたる”深海”にスポットをあててみたいと思います。

深海は水深200メートル程度から

深海って聞くとマリアナ海溝などの10000メートルを超えるような深さの海を連想してしまいますが、実はどのくらいの深さからが深海か・・・という定義ははっきりと定められていません。

ちなみに世界一深いマリアナ海溝最深部の深さは10,863m、日本の近くにある日本海溝は8,020mです。どちらもエベレストの標高より深い深海です。

一般的には、水深200メートル程度から深海と呼ぶそうで、10000メートルもの深海に比べたら水深200メートルはなんとなくハードルが低いようにも思えます。

が、水深200メートルの世界はすでに真っ暗闇水面に近い表層とは全くちがう生態系が広がっている地球上の別世界なのです。

ちなみに、水深200メートルの世界になると、人は色を識別できなくなり、水深400メートルで視界が完全に失われてしまうそうです。

海の約80パーセントは深海

私たちにとって未知の世界である深海ですが、水深200メートルを基準にした場合、海の約80パーセントは深海ということになります。

太陽光が届かない深海は、私たちが生きている地上とも、そして、私たちにとって身近な海である表層とも全くちがう別世界です。

地球の70パーセントを占める広大な海。そのうちの80パーセントは深海・・・。つまり私たちが見ている海はごく一部に過ぎないのです。

深海の温度は?

太陽光が届かず、植物が光合成を行えない深海・・・「なにそれめちやくちゃ寒そう」と思いますよね。

深海の温度は実はそれほど大きく変化せず、1000メートルより深い場所で2℃から3℃に保たれているそうです。

もちろん、地上とちがって海水ですから、あまりにも寒いと凍ってしまいます。ですが、太陽光が当たらないことを考えれば、温度はそんなに低くないという印象です。

表面の太陽光で温められた水と混ざり合っているから水温が一定というわけではなく、水深200メートルを超える部分の海水は混合することはないそうです。

深海の水圧は半端ない

深海といえば、水圧!

深海魚なんかを見ていると「水圧でこんなになっちゃたの?」と突っ込みたくなるくらい、かなり奇抜なルックスが目をひきます。

当然、水圧は水深が深くなればなるほど大きくなります。

世界で1番深い海のマリアナ海溝の水圧は108.6MPa!1平方メートルあたり1000キロ以上というとんでもない水圧が掛かる世界です。ですが、この水圧の中で生きている生物もいるそうです。

 

深海は未知の世界

10000メートルを超える深海に無人機などを送り込んで調査をしている国は確かにあります。日本もその国のひとつですが、やはり深海は未知の世界。

私たちがまだ出会ったことがない生き物や熱水鉱床などがたくさんあることはほぼ間違いないでしょう。

科学技術が進歩した今でも水圧の壁はとても大きく、深海の調査は簡単な物ではないと言われています。人類は地球上のすべての生態系の頂点と言われることもありますが、深海に広がる別世界があるのですから、決して頂点ではないのかもしれませんね。

まとめ

今回は未知の世界”深海”をとりあげました。

広大な海の約80パーセントを占める深海は、私たちにとっては未知の世界です。太陽光が届かず光合成が行われない深海・・・。水深200メートルを境に、海水同士が混じり合うこともない未開の場所です。真っ暗闇で視界はゼロ、とんでもない水圧がかかる世界に地上や表層とはちがう生態系が作られています。

その環境で人類が生きていけないことはいうまでもありませんが、水圧という大きな壁が立ちはだかって、調査も困難なのです。

 

参考資料:ピーター・ヘリング著・沖山宗雄訳 『深海の生物学』 東海大学出版 

独立行政法人海洋研究開発機構 . “7000m級無人探査機「かいこう7000II」”

Wikipedia 深海

Wikipedia マリアナ海溝

Wikipedia 日本海溝