自分だけは大丈夫!正常性バイアスという心理を知っていますか?

人の心理を表す言葉に「正常性バイアス」という言葉があります。

簡単に言ってしまうと「自分だけは大丈夫」という心理のことです。人の心理を表す言葉に「正常性バイアス」という言葉があります。

 

簡単に言ってしまうと「大丈夫でしょ」という心理のことで、英語ではnormalcy biasといいます。心理学でも使われ言葉です。

そして、正常性バイアスは誰もが持つ心の動き・・・でもあるのです。

自分だけは大丈夫!正常性バイアスの怖さ

正常性バイアスは、予期しないことや今まで経験したことがないような状況になったときに「いや、たいしたことないでしょ」「ありえないし、大丈夫だし」と思う心理のことです。

これを「正常化の偏見」といいます。

これは、異常事態に遭遇したときにその起っている事態を、今までの自分の経験の中に収めようとするもの・・・。ですので、正常性バイアスが働くことはごく普通のことです。

心を平穏に保つための一種の作用なのですが、これが働くことで、感じるべき危険が緩和されたように勘違いをして、その結果、大ピンチになることもあります。

逃げ遅れは正常性バイアスの仕業?

例えば、豪雨の警報が鳴ったとしましょう。

 

スマホからエリアメールの音が聞こえて「避難してください」と呼びかけられていたと仮定しましょう。あなたはどうしますか?

外は大雨・・・あなたはすぐに避難しますか?

もちろん、即避難するという人もいるでしょう。ですが、実際にこのような状況になったときに「今まで何もなかったし大丈夫でしょ」「ちょっと様子を見てみよう」「いや、おおげさじゃん」という反応をしてしまうことがあります。

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これも正常性バイアスのひとつといっていいでしょう。

実際に、自然災害にち直面したときに「大丈夫でしょ」と思ってカメラ起動させたとか、避難を渋ったというのも正常性バイアスの働きが大きく関係しているのではないかと言われています。

正常性バイアスは、心を平穏に保つためのの作用ではあるのですが、いざという時、即座に行動しなければならない時に「大丈夫でしょ」という心理で行動を変えてしまうことがあるのです。

東日本大震災で被災した方がこんなことを話してくれました。

あの地震があったとき、ものすごい揺れで揺れている間は動けませんでした。揺れが収まってから、津波警報が発表されたことを町内の放送で知りました。

だけど、何日か前にも津波警報が出ていて、だけど結局、何もなかったんです。とりあえず「大丈夫だろう」と思ってぐちゃぐちゃになった自宅の片づけをしたいと私は思ったんです。

だけど、それから一時間もしないで津波がやってきて・・・。

兄が強引に避難させてくれていなかったら私は津波にのまれていたと思います。

「地震が来たら高台に避難」と散々、教えられて育ったのに、どうしてなのかあのときは「大丈夫」だと思ってしまったんです。

後から冷静になって考えたら、あの揺れですからすぐに避難するべきなんです。冷静な判断できなくなっていたと自分でも思います。

 

正常性バイアスにはどう対策をしたらいいの?

正常性バイアスそのものは正常な心の動き・・・ですからそのものをなくすことはできません。ですが、正常性バイアスは時に効き過ぎてしまうと危ないというのも事実です。

災害などの場面で、正常性バイアスに左右されず冷静に行動するためには、普段から訓練をすること。テレビなどで見る災害などの状況を「いつ自分に起ってもおかしくない」という意識で受け取ることが大切。

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そして、緊急事態が起ったときには、自分が置かれた状況を冷静に把握して行動すること。「誰も避難してないし大丈夫」などという集団心理は無視して行動できるように意識を持っておきましょう。