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12月16日12時50分

これって常識!?法律基礎Q&A(契約書偏その3)

契約書への「割印」って、いろんな種類があるって知ってますか? 厳密には、「割印」という名称ではない押印もあり、それぞれに意味があります。

契約書作成の注意点④「契印」

法律に携わる職業の方や、書類作成を業務とされている職業の方にとっては、常識ですが、一般的には、その重要性があまり知られていないのが「契印」です。
また、「契印」「割印」「消印」というよく似たような押印がありますが、すべて含めて「割印」と思われている方も多いのではないでしょうか。
それぞれの押印について、解説します。

契約書作成の注意点④-1 「契印」(同じ1通の契約書内で押印されるもの)

契約書が複数枚になる場合、すべての契約書を一通の書類に綴じて、各ページの継ぎ目に、契約書作成者が、署名捺印に使用した印鑑と同じ印鑑を押印することをいいます。
数枚のうちの一枚に契約者の署名捺印があり、各ページにこの「契印」があれば、同じ契約者が作成した繋がった一通の契約書であることが証明されます。契約者が複数人いる場合、すべての契約者の「契印」が必要です。また、押印する印鑑は、署名捺印に使用された印鑑と同一のものでなければなりません。
この「契印」がない場合、第三者から見ると、署名捺印のあるページ以外は、契約の相手方の同意なく、勝手に、後から付け加えられたもので、その部分は契約が成立していない、と判断される可能性があるので、ご注意ください。

契印

契約書作成の注意点④-2 「割印」(2通以上の契約書の間で押印されるもの)

上記の「契印」のことも、次に説明する「消印」のことも、まとめて「割印」と思われている方も多いと思いますが、「割印」とは、2通以上の同じ内容の契約書の間で押印されるものです。
例えば、売買契約の場合、通常、売主の分と、買主の分の2通の契約書を作成しますが、その2通の契約書が同時に作成された同じ内容の契約書であることを示すために、その2通の契約書にまたがって押印されるのが、「割印」です。契約書以外にも、正本と副本を作成するような書類には、「割印」が押印されるのが、一般的です。
この「割印」を押印しておけば、書類の改ざん、偽造の防止につながります。
この「割印」に使用される印鑑は、必ずしも、契約書の署名捺印に使用されたものではなくても、「割印」として有効です。

割印

契約書作成の注意点④-3 「消印」(収入印紙に押印されるもの)

印紙税法で、印紙税という税金を納める必要がある文書が定められています。印紙税は、課税の対象となっている書類に、収入印紙を貼り付ける方法により納付します。契約書も、印紙税の課税対象となっているので、印紙税法で決められた額の収入印紙を貼り付けておく必要があります。
その契約書に貼り付けた収入印紙と契約書にまたがるように押印するのが、「消印」です。この「消印」は、一度貼り付けた収入印紙をはがして、再利用するという脱税行為を防止するために法律で定められている押印です。脱税防止のための押印なので、収入印紙の貼付・消印の有無は、契約書の効力には影響がありません。
「消印」をするのは、契約の当事者のうちの1人でも良く、署名捺印に使用された印鑑以外の印鑑による「消印」でも有効です。

消印

 

 (次回へつづく)

この連載の担当は・・・

司法書士もりたか法務事務所

代表司法書士 森高悠太

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