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12月02日12時50分

これって常識!? 法律基礎Q&A (契約書編 その1)

「口約束でも、契約は成立するの!?」 今さら聞けない、契約の基本をわかりやすく解説!

Q1.契約は口約束でも成立するって言いますが、本当に口約束で契約は成立するんですか?

A.口約束でも契約は成立します。
法律上は、原則として、当事者同士の合意があれば、契約が成立し、契約書を作る必要はありません。

ただ、中には契約書を作らないと、契約が成立しない種類の契約もあります。
例えば、保証契約がそれにあたります。お金の貸し借りでは、保証人を立てることが多いと思いますが、保証人の契約は、お金の貸主と保証人との間で契約を締結し、その保証契約について契約書を作らないと、効力が発生しません。

また、契約書は必要ありませんが、他の要件を満たさないと成立しない契約もあります。
例えば、お金の貸し借りなどの「消費賃貸契約」と呼ばれる契約は、「貸します」「借ります」の合意だけではなく、「金銭等の目的物の引き渡し」があって、初めて契約が成立します。常識的に考えれば、わかりますね。

逆に、多くの方が勘違いされているのが、「売買契約」です。
「売買契約」は、「売ります」「買います」の合意だけで契約が成立します。つまり、買主が売主に売買代金を支払わなくても、その商品の所有権は買主に移ることになります。売買契約成立後、商品引き渡し前は、買主に所有権が移った商品を、売主が預かっているという状態になります。ただし、商品の所有権は買主に移っても、売主は買主から代金を受け取るまでは、商品を買主に引き渡す必要はありません。商品の所有権は買主に移ってしまいますが、「売買代金の支払い」と「商品の引き渡し」は同時にされなければならないということです。

このように、契約書を作成しなければならない契約や、契約書の作成以外の要件がある契約などがありますが、原則としては、契約書を作らなくても、口約束だけで契約が成立します。

Q2.じゃあ、契約書はいらないんですか?

A.契約が成立したら、契約書は作っておくべきです。

なぜなら、契約の内容を記録しておかなければ、契約の当事者同士の覚えている契約内容が食い違ってしまうことがあり、争いになる場合があるからです。

そして、裁判になった場合には、契約書が重要な証拠となります。

例えば、お金の貸し借りの契約(法律用語で「金銭消費貸借契約」といいます。)では、利息や返済期間、毎回の返済金額などを決めておくことが多いですが、契約書を作っておかないと、その内容を忘れてしまいそうです。

また、売買契約では、前述しました通り、本来は契約成立時に商品の所有権が買主に移転してしまいますので、契約の中で、「売買代金の支払いと同時に所有権が移転する」という特約を付けることがあります。このような特約についても契約書に記載しておかないと、特約を付けたかどうかがわからなくなってしまいます。

このように、契約というのは、さまざまな種類があり、それぞれの契約によって、その時の状況によって、契約で決めておくことがバラバラなので、当事者が契約の内容を後で確認できるように、後に争いにならないように、契約書を作っておく方が良いでしょう。

また、そうならないことが一番良いですが、万が一、契約内容に争いがあった場合や、契約の当事者の一方が契約上の義務を果たさない場合、契約に関する争いが裁判に発展する場合があります。

裁判では、自分が主張していることが正しいということを、第三者である裁判官に信じてもらうための証拠として、契約書の存在が重要になります。

ですので、自分の権利を守るという意味でも、契約書は作っておくべきでしょう。

 

(次回へ続く)

この連載の担当は・・・

司法書士もりたか法務事務所

代表司法書士 森高悠太

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