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11月26日13時07分

映画と狂気とクラシック音楽

だんだんと冬の足音が聞こえる季節になってまいりました。 こんな季節には、暖かい部屋でちょっと大人な映画を見るのも悪くありませんね。 今回はクラシック音楽を効果的に使った作品を紹介したいと思います。 ただ、お子様が見れないものばかりですので、ご注意くださいませ。 映画の中に渦巻く狂気には、クラシック音楽が似合うようです。

パフューム ある殺人者の物語

五感のうちで最も記憶に結びついているのは嗅覚であると言われます。
この映画の原作は、全世界で1500万部を売り上げたパトリック・ジュースキント「香水 ある殺人者の物語」。
映画では決して感じることができない「匂い」を表現しようとした本作が選んだのは、サイモン・ラトル率いるベルリン・フィルハーモニー交響楽団。
一聴すると平凡になってしまいかねない映画音楽が、音楽の「聴きどころ」を余すところなく表現する彼の指揮によって、ひとつの新しい表現に高められています。

パフューム ある人殺しの物語

レッド・ヴァイオリン

最高落札額、1本12億円7500万円という究極のヴァイオリン、ストラディバリウス。
奇跡としか言いようの無いその音色は、時代を超えて人々を魅了し、時に狂気の淵へと誘ってきました。
タロットカードと過去の時代を絡めたストーリー構成もさることながら、アカデミー作曲賞を受賞した音楽も素晴らしい。
ヴァイオリン演奏は、ストラディバリウス演奏者であり、ビルボード・クラシックで何度もチャート1位を獲得しているジョシュア・ベル。
様々な角度から音楽の深みを楽しめる、いい映画です。
余談ですが、かつて「演奏者のジョシュア・ベルが朝の地下鉄で演奏を始めたらどうなるか?」というワシントン・ポスト紙の実験がありました。気になる方は動画をどうぞ。

レッド・バイオリン

ツィゴイネルワイゼン

音楽をかけていると、ふと人の声が聞こえる。
内田百閒が『サラサーテの盤』で表現した一枚のレコードを巡る物語から、名監督鈴木清順が独自の色合いで描いた本作は、生々しい狂気に満ち満ちています。
まるで正反対の人間たちが入り交じることで、何かが少しずつ壊れ、境界線が消えていき、どこからどこまでが現実なのか分からなくなる。
変幻自在のリズムで演奏されるヴァイオリンの演奏が、映画という迷宮の深みへと誘ってくれます。

ツィゴイネルワイゼン

ヴェニスに死す

ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画は、いつも美しさに全てを賭けているように思えます。
美術セットや衣服の細部までこだわりきる彼が、まるで原作に寄り添うように作り上げたのが映画『ヴェニスに死す』です。
原作が題材にした作曲家グスタフ・マーラーを映画の中に蘇らせ、音楽の効果を最大限に引き出した本作が描く狂気は、年代物のワインの海に溺れて行くような感覚さえ与えてくれます。
少し酔いたい夜には、こんな映画を流すのも良いかもしれませんね。

ベニスに死す

(編集:ナカムー)