ENTRY
02月24日12時50分

あなたの生活・仕事にも無関係ではない?! 民法改正⑤「法定利率」

お金を借りたときに、元本と一緒に支払わなければならないのが利息です。今回はこの利息についてお話しします。

「法定利率」とは

 いま、金利が下がり続けています。生活に身近なところでは、住宅ローンの金利も下がり続けており、家計にとっては嬉しい状況になっています。
 さて、この利率ですが、契約のときに取り決めるのが通常です。ただ、例えば友人同士でお金を貸し借りしたときなど、契約のときに利率を決めない場合もあります。このような場合に、利息を支払わなくてもよいというわけではありません。契約で利率を取り決めなかった場合には、民法で定められた利率である「法定利率」が適用されます。
 法定利率は、現在の民法では、年5パーセントと決められています。そして、この法定利率ですが、お金の貸し借りだけに適用されるわけではありません。例えば売買契約の代金を支払わなければならないときに、支払期限を過ぎてしまったというような場合にも、「遅延損害金」を計算する割合として適用されます。

年5パーセントは高すぎる

 金利が下がり続けている現在、年5パーセントもの利率は高すぎるというのが多くの方々の意見でしょう。しかも、市場の金利は変動するのが当たり前。にもかかわらず、民法という法律が制定されてからまったく変化がないということも、経済合理性がありません。
 そこで、改正民法では、ひとまず、法定利率を年3パーセントにまで引き下げられることが決まりました。さらに、市場の利率の変動があった場合、法定利率も変動する場合があるということにもなりました。もっとも、いかなる場合でも変動するわけではなく、また、1パーセント単位(小数点以下切り捨て)での変動です。それでもなお、現行民法の法定利率からすれば、画期的な改正であるといえます。
 なお、法定利率が変動するとしても、一旦利息が発生した時点での利率で固定されます。従いまして、例えば、友達にお金を貸していたとしても、毎年利率が変動するわけではなく、約束(契約)で利率が発生すると決められた日(期限)における法定利率で固定されます。
 ところで、法定利率に関する民法の改正に伴い、商取引に関する利率である商事法定利率(6%)は廃止される予定です。

 

 日常生活で「法定利率」を意識することはほとんどないと思います。ただ、事業を行っている方などをはじめとして、商事法定利率が廃止されるなど、影響を受ける場合も少なくありませんので、気になることがあれば、専門家にご相談ください。

 

このコラムの担当は

あなたの生活・仕事にも無関係ではない?! 民法改正⑤「法定利率」
弁護士 矢吹保博
民事事件・家事事件・刑事事件など幅広く多様な事件を取り扱う傍ら、「株主の権利弁護団」に所属し、カルテル事件などに関する株主代表訴訟なども取り扱う。

あさひパートナーズ法律事務所
〒541-0041
大阪市中央区北浜2丁目1番5号
平和不動産北浜ビル4階
TEL 06-6226-8995