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11月24日11時33分

【書籍紹介】 世界から猫が消えたなら

猫好きにとっては、大変ショッキングなタイトルに惹かれ、購入しました。 哲学的な言葉も多く、自分の生き方を考えさせられます。

あらすじ

余命わずかとなった主人公は、突然目の前に現れた悪魔に、世界から何か一つを消すことと引き換えに、一日だけ命を得る、という取引を持ちかけられます。
主人公は、一日の命を得るために、世界から何かを消すことに決めます。
一つ目に消したのは、電話です。が、消す前に、その消すものを一回だけ使うことができます。
主人公は、電話が消されてしまう前に「ある人」に電話をかけ、その人と会うことになり・・・

失うことで、初めてその価値に気づく

世界から消す前に、一度だけそれを使うことができる、というのがポイントです。
このルールは、消えるものとわかっていながら、それを使うことで、その価値を再認識するきっかけとなっています。

「何かを得るためには、何かを失わなくてはね」

よく聞く世界の法則です。
何かを得ることで、等価の何かを失っている。
主人公が消すものは、一見、「あってもなくてもよいもの」、と思えるものです。
でも、その「あってもなくてもよいもの」と思えるものでも、実は、一日分の命に見合った、もしくは、それ以上の価値があるのです。
失うことによって、初めてその大切さに気づく。
使い古された言葉ですが、この本を読んで、改めて、今ここにあるものの大切さについて、考えさせられました。

名言紹介

「たとえ退屈な日常であったとしても、十二分に美しい」

この本に登場する悪魔ですが、この悪魔は、一般に想像される悪魔の姿とは、少し変わった姿をしています。
その姿の意味について、物語の終盤で明かされるですが、その悪魔の姿の意味を知った後の、死を覚悟した主人公のこの名言が、心に染みます。
人は、自分がやらなかったこと、選ばなかった人生に想いを巡らせ、後悔したり、うらやましがったりします。
でも、実は、自ら選択してきたこの人生、自分が今生きている人生は、何ものにも代え難く、素晴らしいものであることに、自分が気付いていないだけなのかもしれません。