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08月31日12時50分

不動産担保③(抵当権の順位)

前回、抵当権の優先弁済権についてご説明しました(http://media-dp.com/4120/)。この優先弁済権を得るには、もちろん、抵当権を持っていることを証明できなければなりません。では、どのようにして抵当権を証明するのでしょうか?

抵当権の登記

抵当権を持っていることを証明する方法は、抵当権が登記されているかどうかです。
登記とは、法務局で、不動産に関する権利を登録しておくことです。
担保の対象となった不動産に、抵当権の設定を登記しておくことができます。
もちろん、登記をするには、抵当権設定者と抵当権者の両者が協力して、法務局へ申請する必要があります。

 

【参考コラム】
不動産登記とは!?→http://media-dp.com/2395/
登記されている内容とは!?→http://media-dp.com/2403/

 

抵当権の順位

前回、抵当権の優先弁済権についてご説明しました(http://media-dp.com/4120/)。
実は、この優先弁済権の仕組みは、複数の抵当権の間にも成立しています。
どういうことかと言いますと、抵当権にも優先弁済の順番があるということです。
この「順番」を、法律的には「順位」と言います。
この「順位」はどのように付けられるかと言いますと、登記をした順番がその順位となります。
その仕組みは前回の「優先弁済権」のご説明と同じです。

例)
甲さんが、Aさんから1000万円、Bさんから2000万円、お金を借りています。
甲さんは、Aさんからの1000万円の借金の担保として甲さんが所有している不動産を提供し、Aさんの抵当権が登記されました。
次に、甲さんは、Bさんにも同じように、2000万円の借金の担保として甲さんが所有している不動産を提供し、Bさんの抵当権が登記されました。
この場合、Aさんの抵当権が順位1番、Bさんの抵当権が順位2番、ということになります。
甲さんが債務の弁済を行わない場合、AさんもBさんも、抵当権にもとづいて、その不動産を差し押さえることができます。
しかし、競売の結果、その不動産の売却代金が1500万円にしかならなかった場合、まずは、順位1番の抵当権を持っているAさんが、1000万円の弁済を受けることができます。順位2番のBさんは、残った500万円の弁済しか受けることができません。

登記の重要性

抵当権の設定の手続きには、次の3段階あります。
①お金の貸し借りの「契約」(法律上、「金銭消費貸借契約」と言います。)
②借金の担保として不動産に抵当権を設定する「契約」
③法務局で「登記」の手続き
そして、抵当権の順位は、「契約」をした順番ではなく、「登記」をした順番です。

例えば、上記の例で言いますと、
①8月1日 甲さんとBさんが金銭消費貸借契約
①8月3日 甲さんとBさんが抵当権設定の契約
②8月5日 甲さんとAさんが金銭消費貸借契約
②8月7日 甲さんとAさんが抵当権設定の契約
③8月9日 甲さんとAさんが抵当権設定の「登記」
④8月11日 甲さんとBさんが抵当権設定の「登記」
という順番で手続きを行った場合、Aさんの方が先に「登記」をしたので、抵当権の順位もAさんの方が上になります。したがいまして、抵当権にもとづいて、債務が弁済される場合、Aさんの方が優先的に弁済を受けることができます。

このように、抵当権の登記は、抵当権そのものの存在を証明するために重要であるのはもちろん、抵当権の順位を確保する意味でも大変重要です。

このコラムの担当は

司法書士 森高悠太

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