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07月27日12時50分

取締役の責任②(表見代理)

前回説明しましたとおり、会社の(代表)取締役には、業務執行権や代表権があります。 逆に考えますと、代表権のない者は、会社として取引などを行うことができないことになります。 では、代表権のない取締役や単なる使用人でしかない人が、あたかも代表権のある役職を名乗り、会社を代表する行為を行った場合、それを信用した第三者は守られるのでしょうか?

表見代理

会社法では、『会社が、「代表取締役以外の取締役」に「社長」、「副社長」、「その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称」を付した場合には、「当該取締役がした行為」について、「善意の第三者」に対してその責任を負う。』と定められています。これを「表見代理」といいます(「表」向きは、「代理」できるように「見」えるという意味です。)。
例えば、
◯◯株式会社が、代表権のない取締役Aさんに、
「社長」や「副社長」などの代表権があるように見える役職を与えた場合には、
Aさんが、◯◯株式会社として、△△株式会社と取引を行えば、
その取引に関して、◯◯株式会社は、△△株式会社に対して責任を負うことになります。
つまり、◯◯株式会社は、Aさんには代表権がないから、その取引は成立していない、とは主張することができないということです(△△株式会社から主張することは可能です。)。

責任を負わない場合

◯◯株式会社が、責任を負うのは、Aさんに「社長」や「副社長」などの代表権があるように見える役職を与えた場合、もしくは、その役職をAさんが名乗ることを黙認していた場合です。
したがって、Aさんが、勝手にその役職名を使っていたにすぎない場合は、◯◯株式会社は責任を負いません。
また、「善意の第三者」とは、Aさんに代表権がないことを知らず、代表権があると信じていた第三者のことです。
もし、Aさんに代表権がないことを、△△株式会社が「知っていた」、もしくは、「少し注意すればわかるはずだった」ことを、◯◯株式会社が証明できれば、◯◯株式会社はその責任を免れることができます。

「取締役」でもない場合

前述しましたケースは、代表権のない「取締役」に、社長や副社長などの代表権があるように見える役職を与えた場合でしたが、取締役でもない単なる「使用人」に過ぎない者に代表権があるように見える役職を与えた場合でも、同様に扱われます。
では、完全に「部外者」の場合はどうでしょうか?
その場合は、会社法の別の条項に該当し、「表見代理」ではなく、簡単に言いますと「名義貸し」にあたります。つまり、「部外者」に「会社の名義」を貸したことになるのです。
この場合も、名義を貸した会社は、「表見代理」と同様に責任を負うことになります。

このコラムの担当は

司法書士 森高悠太

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