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06月15日12時50分

会社の仕事と同じような仕事を自分でしたい

このようなことを考えたことは、誰でもあるのではないでしょうか? 現在、勤めている会社と同じ仕事を、自分で、もしくは、別の会社で、業務として行うことは法律的に問題ないのでしょうか?

会社の仕事と同じような仕事

この「会社の仕事と同じような仕事」のことを、法律上は、「会社の事業の部類に属する取引」といい、この「会社の事業の部類に属する取引」を「自己又は第三者のために」行うことを、一般的に「競業取引」といいます。
会社の取締役については、会社法上、この「競業取引」を行うことについて、一定の規制が定められています(競業避止義務)。
会社の従業員については、労働契約や就業規則などによって、この競業避止義務が課されています。

取締役の場合

取締役は、会社の業務に深く関わっており、会社の事業について、その技術や知的財産、顧客情報等重要な情報、を扱うことのできる立場にあります。
そのような重要な役職である取締役が、会社と競合するような取引を行うと、会社が取引の機会を失ったり、会社にとって有益な情報が流出したりする原因となる可能性があります。
また、取締役と会社は委任関係にあり、会社法上も、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない、とされています。
このようなことから、会社法では、取締役が競業取引を行う場合には、事前に、株主総会もしくは取締役会で承認を得なければならない、と規定されています。
ただし、この事前の承認を得ていたとしても、会社に損害が発生した場合には、損害賠償責任を負う可能性がありますので、注意が必要です。

従業員の場合

会社の従業員については、勤続中は、労働契約や就業規則の規定によって、競業避止義務を負うことになります。これに違反した場合には、懲戒処分や損害賠償請求を受ける可能性があります。
従業員の退職後については、転職の自由が認められているため、会社との間で競業禁止特約を締結し、その誓約書を作成するなどの措置が採られていなければ、自由に転職できることになります。また、この競業禁止特約の内容も無制限に認められるわけではなく、必要な範囲でのみ、同業他社への就職の禁止が認められることになります。
ただし、退職後の従業員も何でも自由にできるわけではなく、前職の会社の重要な機密情報や顧客情報を、不正に利用した場合には、損害賠償請求の対象となる可能性があります。

このコラムの担当は

司法書士 森高悠太

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