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05月15日12時50分

身近なグローバル・外国人技能実習制度

外国人技能実習制度というものをご存じでしょうか? 中小企業でも取り入れることができる身近なグローバル政策かもしれません。 今日は外国人技能実習制度をご紹介します。

外国人技能実習制度とは

外国人技能実習制度とは、主に開発途上国等の方々に対して、日本の技能・技術・知識を修得してもらうことで、母国の経済発展や産業振興の担い手になるような人材を育成しようという制度です。 受け入れ方法は、日本の企業が海外の現地法人、合弁企業や取引先企業の職員を受け入れる企業単独型という方法と、中小企業団体等営利を目的としない団体が受け入れをし、その傘下の企業が実習実施機関として受け入れをする団体管理型の2種類がありますが、ほとんどが団体管理型をとっています。 技術を修得してもらうわけですから、単純作業での受け入れはできません。 農業、漁業、建設、食品製造、繊維衣服関係、機械金属関係、その他溶接や塗装、プラスチック成型などの職種に限定されており、さらにその中でどんな作業に該当するかで受け入れできるか決まってきます。

労働法からみた外国人技能実習制度

昔は、外国人技能実習生が入国した1年目は、労働関係の法律が適用されませんでした。 そのため、色々な問題がでてきてしまいました。 2010年7月に施行された新しい制度のもとで、1年目も労働関係の法律が適用されることになりました。 つまり外国人だからといって日本人と違うというわけではありません。 それに、これは改正される前からも言えることですが、決して安い人材ではありません。 社会保険や雇用保険、労災も適用されますし、健康診断も受けてもらう必要があります。 また、日本人と同じように労働条件もしっかり通知しなければなりません。

外国人技能実習制度のメリット

では、正直日本人と同じなら日本人で良いのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。 外国人技能実習制度のメリットを考えてみました。 まず、この制度では最長3年間受け入れをすることができます。 そのため、企業側としては人材調整がしやすいという点があります。 とはいえ、失踪という事実もまれにあります。 製造業はなかなか若者が根付かないということが問題としてあげられます。 かなり昔ですが、お客様から「入社した日の昼休みに社員がいなくなったよ。」という声を聞いたことがあります。 そして、一概には言えませんが、実習生は技術を修得したいという気持ちだけではなく、お金を稼ぎたいという気持ちもあります。 そのため一生懸命働く姿も見られることが多いです。 ただし、残業を自分からどんどん引き受けてしまうということもありますので、そのあたりはしっかりと会社で時間管理をして、不要な残業はやめてもらわなければなりません。 また外国人と一緒に働くことで、今まで見えなかったことが見えたり、会社のグローバル化に貢献したりすることもあります。 以前聞いた話ですが、「もっとコミュニケーションを職場でとりたいけど、どうしたらよいか。」という話で、実習生が「机を島にするのではなく、円を描くようにくっつければみんなで顔をあわせられるのではないか。」と提案したそうで、それが採用されたという話を聞きました。 日本人の固定概念では思いつかなかった新たなアイデアが生まれるかもしれません。 また、日本人の社員さんにとっても、先輩として教えてあげなきゃ!という気持ちが芽生え、相手は外国人ですし、どのようにコミュニケーションをとれば伝わるのかということを考える機会を与え、人材育成という面でも効果が見込めそうです。 

外国人技能実習生は残念なできごとが発生してしまい、ニュースにとりあげられることがあるため、マイナス面がうつってしまう制度に見えるかもしれません。 しかしうまく活用すれば自社のためにもなりますし、なにより国際発展につながる制度です。 今後3年から5年に拡充する話もでてきています。 日本で実習をした方が母国でその会社の課外進出時に工場長を任されたという話も聞いたことがあります。 うまく活用することで、会社のグローバル力を上げることができるかもしれませんね。

このコラムの担当は

身近なグローバル・外国人技能実習制度
まゆみ社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 新田真弓

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