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03月20日12時50分

労災かくしとは?

「労災かくし」という言葉をご存じでしょうか? 労災事故は起こらないようにしなければなりませんが、起こった時に労働者へ補償し会社を守るものでもある労災ですが、様々な事情で事故を隠そうとするケースがあります。 今日はそんな労災かくしをみていきましょう。

労災事故が起こったら

労災保険制度は、労働者が業務や通勤が原因でケガをしたり、病気にかかったりした場合には、労働者の請求に基づいて、病院でかかった費用の給付などをしてくれるものです。 他にも様々な保険給付があります。 アルバイトだから、正社員だからということはなく、使用されている社員さん、みんなが対象です。 業務や通勤が原因であるときは、健康保険を使わず、労災保険を使います。 しかし、そのことを知ってか知らずか、健康保険を使ってしまうケースが結構あるようです。 間違って健康保険証を使ってしまった場合は、受診した病院で健康保険から労災保険に変更ができるかを聞いてみてください。 できる場合は、所定の書類を提出し、病院の窓口でお金を返してもらいます。 変更ができない場合は、一旦全額負担とし、例えば全国健康保険協会(協会けんぽ)なら協会から払ったお金の返納を受け、その後労災の申請をするような形になります。 「ケガ、病気はまずは健康保険だ!」と思いがちですが、業務や通勤の場合は異なることを、社員さんにお知らせしておいたほうがよいかもしれませんね。

労災かくしとは?

では「労災かくし」とはどういうことをいうのでしょうか。 会社は社員さんが労働災害にあってしまい、休業・死亡してしまった場合、事業所の管轄労働基準監督署に「労働者死傷病報告」を提出しなければなりません。 この書類を出さないことが労災かくしとなってしまいます。 よく、「労災の書類を病院に出しました!」ということでホッとされている方がいらっしゃいますが、それでは足りません。 休業が4日以上になった場合は、遅滞なく様式23号という書類を提出する必要があります。 休業が4日にならない場合は、1月から3月までに起こったものは4月30日までに、4月から6月までに起こったものは7月31日までに、7月から9月までに起こったものは10月31日までに、そして10月から12月までに起こったものは1月31日までに様式24号という書類を提出します。 
なぜこの書類を出さなければならないのでしょうか? 国は労災が起こらないようにしたいわけですから、報告を受けて対策を考えます。 そのために必要なデータというわけです。 休業しなければ出す必要はありません。 また通勤が原因の場合も通勤は100%会社の責任というわけではありませんので、国が対策を!ということもないので必要ありません。 ちなみに労災かくしをした場合、罰則があります。 50万円以下の罰金です。 もちろんウソをついて書類を書いてはいません。 ヒヤリハットという言葉もあります。 日頃から労災が起こらないよう、安全対策は重要ですね。 

労災を使うと保険料があがってしまうのでは?という話をよく聞きます。 メリット制という制度を使っている場合は、確かに影響はありますが、大方の会社はメリット制を使っていないと思います。 労災は会社が本来償うものを保険でカバーするので、ある意味会社を守ってくれるといっても過言ではありません。 会社で全部をまかなうとなると、かなりの額になってしまいます。 その辺りも踏まえて、出すべき書類はちゃんと出しましょうね。

このコラムの担当は

労災かくしとは?
まゆみ社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 新田真弓

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