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03月12日16時58分

阿倍野に咲く松虫の大木 大阪阿倍野「松虫塚」

「こんなところに?路上に立つ御神木」シリーズ第8回目です。今回は、大阪阿倍野区にある「松虫塚」に立つ大木と、語り継がれてきた様々な「説」について迫ります。

路面電車が走る街

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今回ご紹介する「松虫塚」があるのは、あべのハルカスのお膝元として知られる阿倍野区です。
あべのハルカスから少し南に位置する松虫通はレトロな路面電車が走っており、どこか懐かしい雰囲気を感じることができます。
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そんな松虫通の歩道に、街路樹とは比べ物にならない並はずれた大きさを誇る木が立っています。
こちらが今回の主役「松虫塚」に立つ榎の木で、樹齢は驚異の800年です。
「ご神木」とはまた違った形の大木ですが、松虫塚の歴史を辿ってみるととても興味深いエピソードが多くありました。

それでは、松虫塚にまつわる様々な「伝説」について迫っていきましょう。

由来は諸説あり

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なぜ「松虫塚」と呼ばれるようになったのか、その由来はいくつもあります。

『2人の親友が阿倍野の松原の道を歩いている最中、松虫(鈴虫)の鳴き声に聞き惚れた1人が草むらに入ったままいなくなり、捜しに行くと死んでいた。悲しみに暮れた親友がここに埋葬した』
という説。
『後鳥羽上皇(1183-1198)に仕えた松虫と鈴虫。この2人の官女が法然の念仏に悟りを得て、承元元年(1207)に法然が土佐に流された後、松虫が老後この地に草庵を結んで隠居していた』
そして『鈴虫が美しい音色で鳴き、短い命を落とした虫たちを哀れに思った旅人がこの塚を建てた』などの説が存在しています。

この他にも様々な云われが残されており、どの説も今日まで伝説として語り継がれてきています。
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そして、ここでご紹介した逸話の1つが伝統芸能「能」の曲目にもなっています。
題名は「松虫」。
松虫の鳴き声が面白く聞こえ、その音を慕って聴きに行ったまま亡くなった親友。
その親友が幽霊として登場し、酒売りに当時起こった出来事を話し始める…。
今回の取材をするまでこの話を耳にしたことのなかった筆者ですが、取材を進めるごとに深い興味を持ちました。
気になった方はぜひお調べしてみてください。

大木のパワーを体感!

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さて、今回は「松虫塚」にまつわる様々なエピソードをご紹介しました。
歩道スペースに建てられた小さな塚ですが、実際に入ると見どころのあるポイントがいくつも設けられています。
何より、間近で見る榎の木はとても大きく、見ているだけでパワーを感じることができました。
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路面電車が走る街と、そこに立つ樹齢800年の大木。
ぜひ、実際に足を運んで大木のパワーを感じてみてはいかがでしょうか。