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03月04日12時50分

ニュースで気になるあの法律⑰

公共施設から200メートル以内の場所で風俗案内所の営業を行うことを禁じた京都府の条例(「京都府風俗案内所の規制に関する条例」)が、憲法で保障された「営業の自由」に違反するかどうかが争われた事件があったようです。いったいどういった条例でしょうか。(http://www.asahi.com/articles/ASH2N44TQH2NPTIL00T.html

風俗店の距離制限

 「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(いわゆる「風営法」)は、公共施設から一定の距離以内における風俗店の営業を行うことを禁止しています。風営法第28条では、公共施設から200メートル以内の場所では、店舗型風俗店の営業を禁じています。
 さらに、各都道府県では、一般的に「風営法施行条例」と呼ばれる条例を制定し、より厳しい距離制限や、風営法では決められていない細かな事項を定めています。例えば、各都道府県の条例では、公共施設との距離制限について、概ね100メートル(商業地域では50メートル)以内での風俗店営業を禁じています。ただ、京都では、大学や博物館から70メートル以内での風俗店営業を禁じるなど、他の都道府県よりも細かく距離制限の規定が設けられています。

風俗案内店の距離制限

 ところが、今回問題となったのは、風俗店ではなく風俗案内店ですので、風営法の距離制限には引っかからないのです。
そこで、各都道府県では、風俗案内店の営業を規制する条例を定めています。そして、京都府が定めた条例では、公共施設から200メートル以内の場所で風俗案内店の営業を行うことを禁止しています。これが、風俗店よりも規制が厳しいとして争われたのが今回のケースです。
 一審では、規制が厳しすぎるとして、「営業の自由」を侵害し、憲法違反であると判断されたようですが、控訴審では、反対の結論になりました。風俗案内店に対する規制が風俗店に対する規制よりも厳しいというのは、何とも不思議な感じがする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 ただ、この問題は、憲法違反かどうかに関係する事件ですので、もしかすると最高裁に上告されるかもしれません。その場合には結論がまた変わる可能性もあります。

このコラムの担当は

ニュースで気になるあの法律⑰
弁護士 矢吹保博
民事事件・家事事件・刑事事件など幅広く多様な事件を取り扱う傍ら、「株主の権利弁護団」に所属し、カルテル事件などに関する株主代表訴訟なども取り扱う。

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