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02月18日12時50分

ニュースで気になるあの法律⑮

東京都渋谷区が、同性カップルに「結婚相当証明書」を発行する条例案を検討しているようです(http://www.asahi.com/articles/ASH2D32VPH2DUTIL004.html)。ところで、なぜ、同性で入籍することはできないのでしょうか。

憲法では・・・

 結婚について、憲法第24条第1項で、次のように定められています。
 「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」
 このように、「両性の合意のみ」と規定されているために、同性の合意では婚姻できないと解釈されているわけです。

民法や戸籍法では・・・

 さらに、民法という法律では、第739条第1項では、「婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。」と規定しています。つまり、結婚するためには、戸籍法で決められた手続きに従って、届け出をしなければなりません。この届け出が、婚姻届です。婚姻届を提出しなければ、法律上は結婚したことにはならないということです。
 そして、戸籍法では、第74条で、婚姻届を提出するときは「夫婦が称する氏」を決めなければならないとされているなど、婚姻届において「夫」と「婦」が区別されています。このため、「夫」と「夫」や、「婦」と「婦」の同性では、結婚できないと考えられています。

夫婦とは?

 ただし、このような解釈も争いがないわけではありません。そもそも、「夫」とは何か、「婦」とは何かについて、法律で決められているわけではないのです。「夫」は生物学上の男性、「婦」は同じく女性と、一般的に考えられている、というだけにすぎません。社会の考え方が変われば、このような解釈も変わる可能性があります。

結婚相当証明書とは?

 さて、渋谷区で発行が検討されている「結婚相当証明書」ですが、これは、同性の結婚を認めるものではありません。ですので、例えば、夫婦のように相続人になるわけでもありませんし、同じ戸籍に入るわけでもありません。
 ただ、こういった制度ができたということは、同性婚に対する社会の理解が広がってきているということを示していると言えます。ですので、法律が改正され、同性婚が認められる日も遠くはないのかもしれません。

このコラムの担当は

ニュースで気になるあの法律⑮
弁護士 矢吹保博
民事事件・家事事件・刑事事件など幅広く多様な事件を取り扱う傍ら、「株主の権利弁護団」に所属し、カルテル事件などに関する株主代表訴訟なども取り扱う。

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