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01月20日07時30分

権利証を失くしたら?④

前回は、権利証をなくしてしまった場合に、すぐに対処しなければならない方法についてご説明しました(http://media-dp.com/3317/)。 今回は、権利証が無い状態で、不動産の名義変更を行う場合、権利証の提出に代わる方法をご紹介します!

権利証がないけど、不動産を売却したい

不動産の売却など、その名義を変更するには、法務局に権利証を提出する必要があります。では、権利証をなくしてしまった場合には、不動産の名義変更を行うことはできないのでしょうか?
実は、権利証の提出に代わる方法があり、その方法を使えば、権利証がなくても、不動産の名義変更を行うことが可能となります。
権利証なしでの不動産の名義変更をするには、3つの方法がありますので、それぞれご説明させていただきます。

①事前通知制度

法務局へ権利証を提出せずに不動産の名義変更の登記を申請すると、法務局から通知書が現在の所有者に届きます。その通知書の内容の概要をご説明しますと、「不動産の名義変更の登記が申請されていますが、その内容は真実ものですか?真実であれば法務局へその旨を申し出てください。」というものです。つまり、名義変更前の所有者(売買なら売主)に、本当に不動産の名義変更をするのかどうかを、法務局が直接確認する、という方法です。
この事前通知制度を利用すれば、権利証が無くても、不動産の名義変更の登記手続きが可能となります。
法務局の通知書は、「本人限定受取郵便」という方法で郵送され、本人しか受け取ることができず、受け取りの際に、運転免許証等の本人を確認する資料の提示が必要となります。
通知を受けた名義変更前の所有者は、2週間以内に、不動産の名義変更が真実であることを法務局に申し出なければなりません。この申出とは、通知書に必要事項を記載し、登記申請書に捺印した印鑑(実印)と同じ印鑑を捺印して、法務局(登記所)に提出することです。
不動産の売買の場合、通常、売買代金の支払いが完了してから、法務局へ不動産の名義変更を行いますので、この事前通知制度を利用すると、買主は、売買代金は支払ったが、売主が法務局へ上記の申出をしない限りは、実際に不動産の名義変更の手続きができない、ということになってしまいます。ですので、不動産の売買の場合は、あまりこの事前通知制度は利用されず、次にご説明する本人確認情報を利用して、不動産の名義変更が行われることが多いです。

②司法書士による本人確認情報

不動産の名義変更の手続きを司法書士に依頼した場合、その依頼を受けた司法書士が、名義変更前の所有者(売買なら売主)と面談することにより本人確認を行った上で、本人であると確認したという報告書を作成することができ、その報告書を提出することにより上記の事前通知制度を省略することができます。
この司法書士が作成する本人確認の報告書のことを「本人確認情報」と言います。
司法書士と面談する際には、運転免許証等の本人を確認する資料の提示が必要となります。
また、本人確認情報作成には、そのための費用が発生するのが通常です。

③公証人の認証

公証人とは、法務大臣が任命する公務員で、文書の署名・捺印の申請を証明する権限を持っています。この証明の手続きを「認証」と言います。
法務局へ提出する不動産の名義変更の申請書等(司法書士等に依頼する場合は委任状等)を公証人の面前で署名捺印し、その書面を公証人に認証してもらい、その認証済みの書類を法務局へ提出することによって、上記の事前通知を省略することができます。
認証手続きの際には、運転免許証等の本人を確認する資料の提示が必要となります。
また、認証手続きには、そのための費用が発生します。

以上のとおり、権利証をなくしても、不動産の名義変更を行うことは可能です。
ただ、余計な時間やお金、手間がかかってしまいます。
やはり、権利証は失くさないようにするのが一番です。
大切に保管するようにしましょう。

※ちなみに、「相続」による不動産の名義変更の場合、基本的には、権利証は必要ありません。

このコラムの担当は

司法書士 森高悠太

ホームページ http://www.moritaka-leo.jp/

司法書士 もりたか 法務事務所
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