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12月24日12時50分

ニュースで気になるあの法律⑨

携帯電話を購入する際、2年間継続使用する契約を結ぶことがありますが、これを中途解約すると解約金を請求されます。今回の事件は、この解約金について争われたケースです。(http://www.asahi.com/articles/ASGDH5S71GDHUTIL03Z.html)。

どんな法律に違反している可能性があったのか

 一般的に、携帯電話を購入する際、基本使用料が割引になる2年契約にすることが多いと思いますが、一定の期間以外に解約すると、解約料が発生します。今回のケースでは、この2年契約を解除したときに発生する解約金が高額であることから「消費者契約法」という法律に違反するのではないか、ということが争われました。

消費者契約法とは

 消費者契約法とは、契約に詳しくない消費者が、不当に不利な契約などを結ばされることのないように、消費者を保護しようとする法律です。
 そして、この消費者契約法によりますと、契約で解約金の額を取り決めていても、不当に高額な場合には、その解約金に関する契約は無効となってしまう場合があります。
 もっとも、不当に高額というのが一体いくらなのかということは、消費者契約法でも具体的に決められているわけではありませんので、個別のケースごとに判断する必要があります。そして、無効かどうかは、解約金の額が、解約された事業者側に発生する損害の額として想定できる範囲かどうかがポイントになり、解約された時期や理由等によっても違いが出てきます。
 今回のケースでは、2年契約を解除したときの解約金は不当に高額ではなく、消費者契約法に違反しないと判断されたというわけです。

これまでに無効になったケース

 今回のケース以外にも、消費者契約法違反ではないかが争われた事件があります。大学の入学を辞退したときに、入学金や授業料が返還されないことが問題となった事件です。
 入学を辞退するわけですから、本来であれば、前納している入学金や授業料は返還しなければならないはずです。ところが、多くの大学では、入学を辞退する場合であっても一切返金しないと説明した上で、入学金と授業料を前納してもらっています。
 この事件では、入学金を返還しないことは消費者契約法に違反するが、授業料を返還しないことは消費者契約法に違反する、と判断されました。入学金はその大学に入学できる立場を得るために支払うもので、結果的に入学しなかったとしても、大学に入学できる立場になったこと自体に変わりはないから、と判断されたのです。他方で、授業料は実際に受けた授業の対価であるから、入学を辞退すれば授業を受けない以上、その対価である授業料は返還されなければならない、と判断されました。

このように、契約であらかじめ解約金などを定めていても、あまりにも高額で、その金額に設定した根拠もないというような場合、無効になる可能性がありますので、注意が必要です。

このコラムの担当は

ニュースで気になるあの法律⑨
弁護士 矢吹保博
民事事件・家事事件・刑事事件など幅広く多様な事件を取り扱う傍ら、「株主の権利弁護団」に所属し、カルテル事件などに関する株主代表訴訟なども取り扱う。

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