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12月17日12時50分

ニュースで気になるあの法律⑧

ビールよりも割安な価格で販売されている、いわゆる「第3のビール」。この酒税額が見直され、現在よりも高くなるようです(http://news.yahoo.co.jp/pickup/6142051)。他方で、ビールの酒税額は低くなるようです。ビールと第3のビールでなぜこんな違いがあるのでしょうか。

酒税法の分類

 お酒には酒税という税金がかかりますが、このことは「酒税法」という法律で決められています。この酒税法で、原料である麦芽の使用量によって、ビールと発泡酒が区分されています。ちなみに、酒税法では、ビールも発泡酒もどちらも「発泡酒」と規定されています。そして、第3のビールは、麦芽以外を原料として製造されるものと、発泡酒に他の種類を混ぜて製造するものがあります。なお、酒税法では、第3のビールは「その他の発泡性酒類」と規定されています。
 酒税法では、ビール、発泡酒、第3のビールにそれぞれ別の酒税額が定められていて、この順番に酒税額が低くなっています。
 今回のニュースによると、ビールの酒税額を下げ、第3のビールの酒税額を上げることが検討されているようです。

焼酎も2種類

 同じお酒でも酒税法で区分されているお酒があります。
 お酒好きの人であればご存じかもしれませんが、例えば焼酎は2酒類あり、焼酎のラベルをよく見てみると、「甲類焼酎」や「乙類焼酎」と書かれています。酒税法では、焼酎は、「連続式蒸留しょうちゅ」と「単式蒸留しょうちゅう」に区分されており、甲類焼酎が前者、乙類焼酎が後者に該当します。焼酎のラベルには、「本格焼酎」と記載されているものがあり、これはもっぱら乙類焼酎のことを指していますが、酒税法で決められている表現ではありません。甲類焼酎はチューハイなどに利用されることが多い焼酎のことです。
なお、甲類焼酎と乙類焼酎に酒税額の違いはありません。

アルコール度数によって違う酒類に

 また、酒税法で、アルコール度数についても定められているお酒があります。例えば、甲類焼酎はアルコール度数36パーセント未満、乙類焼酎は45パーセント未満と決められており、この度数を超えると「スピリッツ」という酒類などに分類されてしまい、酒税法上は焼酎ではなくなります。そして、スピリッツは焼酎よりも酒税額が高いのです。このため、焼酎はほぼ全て、アルコール濃度が45度未満になるように製造されています。

 

そもそも発泡酒や第3のビールは、ビールの高い酒税額を回避するために開発されたお酒です。普段何気なく飲んでいるお酒でも、酒税法と関係で様々な工夫がされているのですね。
以上

このコラムの担当は

ニュースで気になるあの法律⑧
弁護士 矢吹保博
民事事件・家事事件・刑事事件など幅広く多様な事件を取り扱う傍ら、「株主の権利弁護団」に所属し、カルテル事件などに関する株主代表訴訟なども取り扱う。

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