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12月10日12時50分

ニュースで気になるあの法律⑦

今年生まれた子どもの名前で、男の子は「蓮」、女の子は「陽菜」が一番人気だったようです(http://news.yahoo.co.jp/pickup/6140642)。 ところで、名前に使える漢字は、実は法律で決められているということはご存じですか?

名前に使える漢字を定めている法律は

 めでたく子どもが生まれて名前が決まると、役所に届け出ることになります。これにより、その子どもは、一家の一員として、戸籍に入ります。
 戸籍に関する決まりは、「戸籍法」という法律に定められています。このため、子どもの名前に使える漢字も、この戸籍法で決められたルールに従う必要があるのです。

戸籍法では細かなルールは決まっていない

 ところが、戸籍法の規定をみると、「子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。」とだけ規定されており、常用平易な文字は「法務省令でこれを定める。」となっています。つまり、名前に使える漢字は、戸籍法そのものには規定されていないのです。そのため、名前に使える漢字かどうかを調べるためには、「法務省令」を見てみる必要があります。

「法務省令」とは

 法務省令というのは、その名のとおり、法務省(厳密には法務大臣)が定めた命令で、法律ではありませんが、法律に基づいて定められたルールとして、私たち国民はこれに従わなければなりません。
 「法務省令」という名前のルールがあるわけではなく、例えば戸籍法に関するものは、「戸籍法施行規則」という名前の法務省令があります。

戸籍法施行規則に名前に使える漢字の一覧表がある

 そして、この戸籍法施行規則で、常用平易な文字として、①常用漢字表に掲げる漢字、②別表第二に掲げる漢字、③片仮名または平仮名、が認められています。
 別表第二に掲げる漢字は、戸籍法施行規則の末尾に掲載されています。常用漢字表(http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/pdf/jouyoukanjihyou_h22.pdf)に入っていない漢字ですが、見慣れない漢字ばかりというわけでもありません。興味がある方は、http://www.moj.go.jp/content/000058122.pdfをご覧ください。

常用漢字であっても・・・

 かつて、「悪魔」という名前を付けようとして拒否された、という事件があったことを覚えている方も多いと思います。「悪」も「魔」も常用漢字表に入っている漢字なのですが、子どもの成長に良くないという理由で役所がこれを拒否し、ついには裁判にまで発展した事件です。
たとえ戸籍法や戸籍法施行規則で認められている漢字であっても、子どものためにならない名前は、認められない可能性があるわけですね。

このコラムの担当は

ニュースで気になるあの法律⑦
弁護士 矢吹保博
民事事件・家事事件・刑事事件など幅広く多様な事件を取り扱う傍ら、「株主の権利弁護団」に所属し、カルテル事件などに関する株主代表訴訟なども取り扱う。

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