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12月03日12時50分

ニュースで気になるあの法律⑥

「<衆院選>洋上投票、蚊帳の外 漁業者憤り」というニュースがありました(http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201411/20141129_13011.html)。この、聞き慣れない「洋上投票」とは、一体どんな制度でしょうか?

不在者投票制度

 選挙期日に投票に行けない人や、投票所に出向いて投票することができない人が、投票所以外の場所で投票を行ったり、郵便などの方法で投票を行ったりすることを認める制度です。
 不在者投票制度は、選挙方法について定めている「公職選挙法」という法律で定められています。公職選挙法によりますと、例えば、身体に障がいを持つ人や介護が必要で入院しているような人が、その入院先の病院で投票できる制度が認められています。
 この不在者投票制度の一つとして、洋上投票制度が認められています。
洋上投票制度とは、投票期日に遠洋を航行していて投票所に行けない場合に、ファクシミリで投票を行うという制度です。ファクシミリで投票するというのはなかなか珍しい投票方法で、遠洋を航行している人以外には、南極調査に行っている人もファクシミリでの投票が認められています。

事前の手続きが必要

 ただし、不在者投票制度を行うためには、事前の手続きが必要です。さきほどのニュースによりますと、今回の衆議院解散が突然すぎて、事前の手続きができず、洋上投票制度を利用できなくて困っている、とのことでした。
 そもそも、このような不在者投票制度が認められているのは、選挙権という、憲法で認められている重要な権利を保障するためです。そのため、使い勝手が悪く、事実上選挙権が制限されることになってしまっては問題があるといえるでしょう。

期日前投票制度

 不在者投票制度によく似た制度で、期日前投票制度というものもあります。仕事などの理由により、投票期日に投票に行くことができない場合に、期日前に投票を行うことができるという制度です。現在はこの期日前投票制度が広く浸透し、期日前投票による投票率が増加しているようです。

投票に行きましょう

 このように、一人でも多くの国民が投票できるように、様々な制度が設けられています。このことは、投票をするということが民主主義にとっていかに大切かということを物語っています。
 期日には、ぜひ投票に行きましょう。

このコラムの担当は

ニュースで気になるあの法律⑥
弁護士 矢吹保博
民事事件・家事事件・刑事事件など幅広く多様な事件を取り扱う傍ら、「株主の権利弁護団」に所属し、カルテル事件などに関する株主代表訴訟なども取り扱う。

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