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09月24日12時50分

成年後見制度を活用する ③

これまで成年後見制度についてお話ししてきておりますが、今回は、成年後見人がすべき事務について説明します。

財産管理事務

成年後見人は、成年被後見人のあらゆる財産を管理しなければなりません。そして、成年被後見人の財産について、成年被後見人にとって必要の無い支出をすることができません。例えば、成年被後見人の生活に必要な家賃や食費、水道光熱費、医療費などは支出することができますが、その家族の生活費を成年被後見人の財産から支払うことが原則として制限されます。よく、成年被後見人の財産で、同居している家族の生活費をまかなっているというケースがありますが、成年後見人が選任されると、そのような支出は許されなくなる場合がありますので、ご注意ください。

不動産の処分

成年後見人は、成年被後見人の居住用の不動産を処分するためには、家庭裁判所の許可が必要です。居住用とは、現在そこに住んでいるという場合だけではなく、過去に居住していた不動産や、将来に居住用として利用する予定の不動産を含みます。なお、居住用かどうかは、生活の本拠として利用されているかどうかで判断されますので、住民票の届出をしていなくても、これに該当する可能性もあるわけです。

身上監護事務

身上監護とは、家事や介護など成年被後見人の身の回りの世話をすることです。必ずしも、成年後見人が全てをしなければならないというわけではなく、介護サービスなどを利用することでも構いません。成年被後見人にとってより良い方法を取ることが求められます。

家庭裁判所への報告

成年後見人は、成年被後見人の財産や心身の状況を、家庭裁判所に報告しなければなりません。年に1回など定期的な報告を求められることになりますが、財産状況を報告するに当たっては、収支表を作成するだけでなく、資料の提出も求められますので、領収証などは必ず残しておくようにしましょう。

 

次回は、成年後見監督人が選任される場合と、成年被後見人が亡くなった場合についてお話しようと思います。

つづく

このコラムの担当は

成年後見制度を活用する ③
弁護士 矢吹保博
民事事件・家事事件・刑事事件など幅広く多様な事件を取り扱う傍ら、「株主の権利弁護団」に所属し、カルテル事件などに関する株主代表訴訟なども取り扱う。

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