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07月09日12時50分

もし裁判員に選ばれたら ③

今回は、いよいよ刑事裁判の法廷に裁判員として入廷してからのことについてお話しします。

刑事裁判の開始

開廷の時間になると、裁判官と一緒に法廷に入り、裁判員席に着きます。向かって右側の席に検察官、左側に弁護人及び被告人が着席しています(裁判所によっては逆の場合もあるようです。)。
ちなみに、通常の刑事裁判では、裁判官の指示があるまで、被告人は手錠と腰縄を付けられ、刑務官に監護されています。裁判員裁判では、裁判員に無用な予断を与えないように、裁判員が入廷する前に腰縄と手錠が外されている場合もあります。一人の人間が、腰縄と手錠を付けられている様子は、見る人に対して想像以上の衝撃を与えるものなのです。
また、刑事裁判は公開されていますので、傍聴席に多くの傍聴人が座っていることも少なくありません。事件と関係のある人たちが座っている場合もあれば、全く関係のない人たちが座っていることもあります。
刑事裁判では最初にまず、裁判長から被告人に対して、氏名・住所・生年月日などを聞く「人定質問」が行われます。
次に、起訴状が読み上げられます。起訴状には、被告人がどのような犯罪行為をしたのかが記載されています。起訴状が読み上げられることによって、どのような事件の裁判なのかが明らかになるわけです。

多くの裁判は「量刑」を判断することがメイン

起訴状が読み上げられたあと、被告人に対して「罪状認否」が行われます。起訴状に記載されている犯罪行為を実際に行ったのかどうかについての質問です。
多くの事件では、被告人は、起訴状記載の事実について「間違いありません」と答えます。このような争いのない事件において、裁判員の主要な役割は、「量刑判断」すなわち、その被告人に対してどのような刑罰を科すべきかを判断することです。
もちろん、この「量刑判断」も、裁判員の大切な役割です。裁判員裁判とは、刑事裁判に国民の意見を反映させるという制度ですから、量刑についても、国民の意見を反映させる必要があるわけです。
死刑はもちろんのことながら、懲役刑であったとしても、被告人の人生を大きく左右することになりますので、これを決めることは裁判員の方々には大きなプレッシャーになります。犯罪行為の悪質性や、犯罪に至った経緯、被告人の反省の様子など、様々な事情を考慮して量刑を決めます。

 

次回は、いわゆる「否認事件」の場合についてお話しします。

つづく

 

 

このコラムの担当は

もし裁判員に選ばれたら ③
弁護士 矢吹保博
民事事件・家事事件・刑事事件など幅広く多様な事件を取り扱う傍ら、「株主の権利弁護団」に所属し、カルテル事件などに関する株主代表訴訟なども取り扱う。

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