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06月11日12時50分

貼り紙をしたら罪!?(意外と知らない!?軽犯罪法⑱)

あなたの自宅や会社に、ポスターやビラなどを貼られて迷惑したことはありませんか?今回はそういった貼り紙に関する規制のお話です。

田畑等侵入の罪

軽犯罪法第1条第32号は、「入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者」と規定されています。
「入ることを禁じた場所」とは、管理者などが他人の立入を禁止することを表明した場所のことで、土地・建物だけでなく、一定の地域なども含まれます。判例では、国立公園内の景勝地もこれに該当すると判断されています。
一般的には、刑法で定められている「住居侵入罪」という罪をよく聞くと思います。住居侵入罪は「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入」する場合に成立することになりますので、本規定は住居侵入罪を補完する関係にあります。

はり札等の罪

軽犯罪法第1条第33号は、「みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をし、」若しくは他人の看板、禁札その他の標示物を取り除き、又はこれらの工作物若しくは標示物を汚した者」と規定されています。
「はり札」には、木札や金属製の札だけでなく、紙でできたポスターなども含まれます。他方で、対象物に直接書き込む行為や、ドアの隙間などに差し込む行為などはこれに含まれないでしょう。なお、この規定については、表現の自由を制約する規定であるとして憲法違反ではないかが問題になりますが、これまで違憲であると判断されたことはありません。
また、「他人の看板、禁札その他の標示物を取り除き」とありますが、例えば無断で貼られたポスターなどを剥がす行為は、正当な行為だといえますので「みだりに」とはいえないでしょう。
なお、ビラなどの広告物を貼り付けるような行為は、屋外広告物条例に違反することにもなり、罰金刑が科されますので、注意が必要です。

つづく

貼り紙をしたら罪!?(意外と知らない!?軽犯罪法⑱)
弁護士 矢吹保博
民事事件・家事事件・刑事事件など幅広く多様な事件を取り扱う傍ら、「株主の権利弁護団」に所属し、カルテル事件などに関する株主代表訴訟なども取り扱う。

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