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06月04日12時50分

動物をけしかけたら罪!?(意外と知らない!?軽犯罪法⑰)

ペットを家族のように愛して飼っている人からすれば、ペットにこんなことをさせることはないと思いますが、ペットを使ってちょっとしたいたずらを計画したことはありませんか?

動物使そう等の罪

軽犯罪法第1条第30号は、「人畜に対して犬その他の動物をけしかけ、又は馬若しくは牛を驚かせて逃げ走らせた者」と規定されています。
この規定では、まず、人や家畜に対して犬などの動物をけしかける行為が禁止されています。「けしかける」とは、相手を攻撃するように仕向けることを言います。自分自身で相手に攻撃すれば、暴行罪や傷害罪といった罪に問われますが、たとえ自分自身で攻撃しなくても、動物をけしかけて攻撃させた場合には、犯罪になってしまうわけです。
次に、この規定では、馬もしくは牛を驚かせて逃走させる行為が禁止されています。牛や馬は、これまで家畜として重要な役割を果たしており、財産的な価値も高かったといえますので、本規定では、こういった家畜を逃がすような行為を禁止しようとしたものです。ちなみに、本規定では牛と馬だけが対象とされています。ただ、昔の判例では、飼育中の鯉を放流させたような場合には、器物損壊罪が成立するとされたものもありますので、牛や馬を逃がしてしまうようなこともやめておきましょう。

業務妨害の罪

軽犯罪法第1条第31号は、「他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者」と規定されています。
「業務妨害」という言葉を聞くことは多いと思います。一般的に「業務妨害」とは、刑法という法律に定められている「業務妨害罪」のことを指しています。この「業務妨害罪」は、「偽計」もしくは「威力」を用いて業務妨害をした場合に成立します。「偽計」とは、騙したり誘惑したりすることをいいます。また、「威力」とは、相手の意思を制圧したり有形力を行使したりすることいいます。旅行会社の元従業員が、観光バスの手配を忘れてしまい、修学旅行を止めるよう虚偽の手紙を送ったという事件がありましたが、この事件では偽計業務妨害罪の責任を問われました。
本規定では、このような「偽計」や「威力」には該当しないものの、何らかのいたずらによって業務を妨害した行為を罰するとされています。
ほんのいたずら心でやってしまった行為が、犯罪になる可能性がありますので、いたずらをする場合にも節度が必要ですね。

つづく

このコラムの担当は

動物をけしかけたら罪!?(意外と知らない!?軽犯罪法⑰)
弁護士 矢吹保博
民事事件・家事事件・刑事事件など幅広く多様な事件を取り扱う傍ら、「株主の権利弁護団」に所属し、カルテル事件などに関する株主代表訴訟なども取り扱う。

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