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04月23日12時50分

名前を偽ると罪!?(意外と知らない!?軽犯罪法⑩)

今週も、日常的に誰もがやってしまいがちな行動が軽犯罪法に引っかかってしまう危険があるということを見ていきたいと思います。

称号詐称等の罪

軽犯罪法第1条第17号は、「質入又は古物の売買若しくは交換に関する帳簿に、法令により記載すべき氏名、住居、職業その他の事項につき虚偽の申立をして不実の記載をさせた者」と規定されています。
質屋や古物商は、法律上、帳簿の作成が義務づけられており、質入した人もしくは古物を売却した人の名前や住所などを記載しなければなりません。
本規定では、「名前、住居、職業その他の事項」を偽って申告し、帳簿に虚偽の名前などを記載させることになった場合に処罰されることになります。
偽名を使うことが許されない理由は、質屋や古物商に対して盗品が処分され、窃盗犯に対する責任追及ができなくなってしまうような事態を防止するためです。
誰しも、本名を知られたくない場面に出くわすこともあると思いますが、偽名を使うのも注意が必要ですね。

要扶助者等不申告の罪

軽犯罪法第1条第18号は、「自己の占有する場所内に、老幼、不具若しくは傷病のため扶助を必要とする者又は人の死体若しくは死胎のあることを知りながら、速やかにこれを公務員に申し出なかつた者」と規定されています。
「自己の占有する場所」とは、支配している場所のことですので、例えば、誰もいないアパートの一室などをいいます。そういった場所に、老人、幼年、不具(障がいのある人)、負傷している人、病気を患っている人がいる場合に、それを知りながら、警察官や福祉担当者などの「公務員」に速やかに申告しなければ、この規定によって処罰される可能性があるのです。
ちなみに、自分が保護しなければならないような関係にある人(例えば自分自身の子どもである乳児など)を保護せず、放置(遺棄)した場合には、「保護責任者遺棄罪」という、より重い罪になります。本規定では、そういった関係ではない人であっても、申告が義務づけられているわけです。

つづく

このコラムの担当は

名前を偽ると罪!?(意外と知らない!?軽犯罪法⑩)
弁護士 矢吹保博
民事事件・家事事件・刑事事件など幅広く多様な事件を取り扱う傍ら、「株主の権利弁護団」に所属し、カルテル事件などに関する株主代表訴訟なども取り扱う。

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