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02月05日10時00分

【連載】補助金・助成金申請で大きく勘違いされていること 最終回

いよいよこのコラムも最終回となりました。 今回は、「補助金事業」実施後の「最後の書類」についてと補助金・助成金を受給する際に、気をつけなくてはいけないことをまとめてみようと思います。

事前準備が重要

前回まで、中小企業庁の「小規模事業者活性化補助金」について説明させて頂きました。
平成25年度予算のこの事業は、平成26年2月3日に事業終了となり補助事業受託者は、報告書と経費証憑をまとめる必要があります。
しかも実績報告書は、平成26年2月7日までに提出しなくてはいけません。
報告書未提出ですと、補助金受給資格を喪失する場合があります。

つまり、補助事業終了後、報告書関係を速やかに作成する必要があるのです。
実際は、終了後実質3日で完成しないので、計画的に事業実績と経費関係は書類整備をしていなくてはいけない仕組みとなっております。
現実は他の業務が忙しく、事前準備をしない事業者様が後を絶ちません。
事業終了となって、急に慌てていい加減な書類作成になるのです。
つまり、事前準備が非常に重要なのです。
「報告書だから文章だけでしょ?」と思われがちですがしっかり支出明細を記入する項目があるのです。
ここが大きく勘違いされている事なのです。

次に待ち受けるもの

さて、書類の山との格闘を終え、ようやく報告書提出となりました。
ちなみに、補助事業ではこの書類作成や管理に費やした人件費は補助金申請しても認められません。念のため。

次に報告書を提出して、次に待っているのは「確定検査」です!
「確定検査」とは・・・。
この補助金事業を運営している事務局が指定する場所に出向き支出経費の証拠資料等の必要書類一式を検査会場に持参し事前に提出した「実績報告書」と照合しながら検査を受けるのです。
この補助金の場合、「2月7日までに実績報告書」を提出した事業所が対象となります。
確定検査ではこのような事があります。

 ・ 内容に関して検査担当者から質疑応答があります。
    事前に書類整備を完璧にしておく必要があります。 
    経費の証拠書類の不足、不備、不適切な場合は
    補助金経費対象外となることがあります。

 ・ 軽度の書類間違いであれば「再提出」となります。
    しかし、それだけ補助金を受給する時間が遅くなります。
    また、状況によっては確定検査を複数回受検する場合もあります。

 ・ 確定検査で指摘された修正事項の報告が、期日指定日より
    遅れた場合は、補助金対象外となります。
    こうならないために、事前準備が大変重要になります。

 ・ この確定検査によって、補助金の支払い金額が補助事業開始時に
    決定した交付額に比べて減額する場合があります。
    事前に予算を申請したが、実際に実施出来なかった項目は、
    間違いなく減額となります。

つまり、ある程度「ごまかし」の経費支出明細を作っても、ここでがっつり検査され、おかしなところは全部ハネられます。
この「確定検査」があることを知らない事業者が多いのです。
「確定検査」は本当に厳しいですよ! 補助金減額はよくあります。
ここが良く知られていなく勘違いされています。

「補助金金額」が確定

さて、鬼の「確定検査」が終了しました。
ここで初めて、本当に受給できる「補助金金額」が確定します。
「補助金金額確定通知書」が送付されますので事業者様は、「清算払い請求書」を記入して提出します。
今回の補助金事業はこのやり取りが終了した時点でようやく補助金が指定された口座に振り込まれるのです。
これが3月中旬くらいだと思ってください。
清算なので、概算払いはあり得ません。ここも勘違いされています。

さて、補助金を3月に受給できました。
ここまで長い道のりでしたね。本当にご苦労様でした。
しかし、信じられないかもしれませんがまだ提出しなくてはいけない書類があります。
また、もっと厳しい「会計検査」がある場合があります。
この部分が全然知られていないのです。

「会計検査院」

この補助金を使って行った事業の経過報告を年に1回、今後5年間行う必要があるのです!
また、事業化状況報告書の内容より収益を得たと認められる場合は収益を国に返還しなくてはいけないのです。
しかも、収益額算出方法が非常に煩雑です。要注意なのです。
この「事業化状況報告書」の作成義務と、収益返還については知らない方が殆どだと思います。
補助事業が終了し、補助金を受給してもちゃんと「追跡調査」があるのです。ここが全く知られていません。
また、補助事業完了後、この報告書の状況によっては「会計検査院」(国の行政機関)の実地検査が行われる場合があるのです。
あの、泣く子も黙る「会計検査院」ですよ!
補助事業終了後5年間は、特に経費支払いに関する書類は絶対保存していなくてはいけません。
また、「事業化状況報告書」もしっかり作成しなくてはいけません。
これもまた、全然知られていないことなのです。

しかし、不正などなく、しっかりした取り組みであれば全く恐れることはありません。
要は、「徹底的に調査されても大丈夫」な状況であれば、問題は発生しないのです。

補助金は現在、平成25年度補正予算と平成26年度予算分を「中小企業庁」と「中小機構」が案件をまとめています。
おそらく4月中旬から明確になるでしょう。
以前実施され、今回も実施されると思われる補助金案件は、こちらをご参考ください。
詳細は、私のこのコラム「第7回」にも書いております。
http://www.meti.go.jp/main/yosan2014/131224_chushokigyo1.pdf

「書類の山」や「難しい申請書」と戦う覚悟

また、厚生労働省管轄の「助成金」に関してはいつでも申請可能です。
助成金額は決して多くありませんが、会社の「ヒト」に関することであれば活用価値は大いにあります。
詳細は、私のコラムの「第3回」に書いております。
また、検索用としてこの2つのサイトをチェックしてください。
①(事業主のための雇用関係助成金ガイド)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/
index.html

②(助成金 検索チャート)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/ke
nsaku_hyou/


いずれにしても、無理やり補助金を使おうとしても無理が発生します。
以前に申し上げましたが、新しいことを行うときは確実な「事業計画書」を作成してください。
そして、どうしても補助金を使いたい時は、「書類の山」や「難しい申請書」と戦う覚悟をしてください。

どうぞ宜しくお願い申し上げます。

この連載コラムは今回をもって終了とさせていただきます。
今までご愛読頂き、本当に有難うございました。

この連載の担当は・・・

【連載】補助金・助成金申請で大きく勘違いされていること 最終回
渡辺 太志
(株)アイズモーション専務取締役
http://www.eyezmotion.com/

某大手機械メーカーに開発職として勤務。
その後、海外事業部で中国で一からの工場立ち上げに技術者として参画。その後、大手コンサルファームにてコンサルタントとして中小企業の経営戦略から組織開発までのトータル支援を行う。
特に製造業のネットショップ構築で何を持ってPRすべきかを経営者目線で検討しより優れた戦略・戦術構築を行うのを得意とする。