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01月22日12時37分

【連載】補助金・助成金申請で大きく勘違いされていること その8

さて、今回より補助金申請について具体的に書いていきたいと思います。 勿論、「タダほど怖いものは無い」という意味も詳細に説明させていただきます。 前回までに、私は補助金申請を行う前に「事業計画書」が重要であると書かせて頂きました。 事業計画書が出来上がっていれば、補助金申請書は怖くありません。

今のうちに書類整備の準備を!

でも、問題なのは行う予定の事業と補助金事業内容とがしっかりマッチングしているか見極めることです。
前回も書きましたが、「なんとなく」で申請してはいけません。
最悪なのは「補助金ありき」で事業計画が「後付け」の場合です。

この原稿を書いている今は(平成26年1月21日)、平成26年度の補助金公募は行われておりません。
中小企業庁が、皆様に使いやすいように案件の詳細を決めている最中です。
ただ、昨年度の実績や、前回のコラムで提示したようにどのような「補助金」が出てくるか想像できます。
特に「創業」の方は、今のうちに書類整備の準備を着々と進めましょう。

「小規模事業者活性化補助金」とは

では、「補助金」はどのような部分を「補助」してもらえるのでしょうか?
今回は、平成25年度に公募があった「小規模事業者活性化補助金」について説明させて頂きます。

 ・この補助金の対象者は、日本国内に所在する小規模事業者であること。

 ・認定支援機関である金融機関等と協力して行う取り組みであること。

 ・下記のいずれかに該当する新事業活動であること。

  (1)特定のニーズに対応した新商品の開発及び新サービスの
  提供等を行うもの

  (2)地域のニーズに対応した新商品の開発及び新サービスの
  提供等を行うもの

 新商品の開発や新サービスの提供に必要な経費に対して以下の補助率、
 補助上限額に基づき補助を行う。

  ◎補助率:補助対象経費の3分の2以内

  ◎補助上限額:200万円

  ◎補助事業期間:交付決定日から平成26年2月3日(月)まで

つまり、交付決定日から終了期間までの事業期間で、300万円を支出した事業であれば、200万円補助すると言っているのです。
ちなみに上記事業ですが、平均的な交付決定日が10月中旬だったので実質3ヶ月ちょっとで事業費の支出をしなくてはいけないのです。
逆に考えると、3ヶ月ちょっとで事業費として300万円使わないと200万円を後にもらえる権利を失うということなのです。
この部分を良く理解されていない方が本当に多いです。

お墨付きが必要

では、出てきた用語について簡単に説明します。

最初に出てきた、「小規模事業者」ですが、定義はこちらになります。
会社でも個人事業主でもOKです。
http://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html

次に、「認定支援期間」といった聞き慣れない単語がありますね。
これは、地域の金融機関や公的な支援機関、税理士や弁護士、中小企業診断士など国の認定を受けた機関のことです。
皆様が取引している銀行さんであれば、大体この資格を有しています。
また、事業実施期間に短期融資の必要があれば、状況によっては相談に応じてもらえます。
ただし、補助金申請をする時には、この「認定支援期間」から「お墨付き」をもらえないと、補助金申請が出来ません。
単に企業単体が補助金申請してもダメなのです。
またご存知だと思いますが、金融機関さんの仕事ってそれほど
スピーディーではありませんよね。
当然ですが、融資同様、慎重に与信から検討判断されるからなのです。
だとしたら時間がかかるのは仕方ないのです。
ですから、ギリギリになって申請しても認定支援機関が原因で、申請締め切りに間に合わないケースもあるのです。
また、経営内容によっては認定支援機関が申請に対してNGを出すケースもあります。
つまり、認定支援機関との連携が非常に大事なのです。
ここも良く分かっていない方が、多数いらっしゃいます。

喜ぶにはまだ早い!

さて、貴方の提案した補助金申請が採択されたとしましょう。
まずは、おめでとうございます! 第一関門突破でございます。
では、ここからの手順について説明します。

申請書が採択されて「やったー!これで補助金ゲットだぜ!」と喜ぶにはまだ早いです。ここからが大変なのです。
この時点は、釣りをしていて魚がエサを食べ、ヒットした状態です。
次に行わなくてはいけないのは「補助金の交付申請」なのです。

「補助金の交付申請」とは、採択された案件に対しこの事業実施期間にどれだけの支出を行うか、申請を行う事です。
つまり、ここで補助して頂く金額を決定しなくてはいけないのです。
ということは、人件費の積算、設備の見積、委託する内容の見積が全て無いと金額が決定しません。

この申請期間ですが、補助金採択決定後2週間くらいです。
また交付申請が認可されない限り、補助事業を進めることが出来ません。
つまり、採択されてからすぐに交付申請を行わないとダメなのです。
これも知らない方が本当に多いのです。
ただ、ここで大事なのは「認定支援機関」の協力なのです。
「認定支援機関」はこういったケースに対応してくれます。
どうしても分からなかったら相談に行くのも一手ですよ。

国や地方自治体は、この交付申請書を審査して、問題なければ初めてここで「交付決定通知書」が発行されます。
ここでやっと「補助事業」が実施開始となるのです。
また、交付申請書類に不備がある場合や、補助金として認められない項目が申請されていた場合は「書き直し」を命じられます。
そうなれば、補助事業開始が遅れる一方なのです。

つまり、次に重要なのは「補助金交付申請書」の精度なのです。
事業計画書から完全な状態であれば問題ないのですがいわゆる「後付け」の方は、この辺で躓き始めるのです。

いよいよ開始!

色々ありましたが、いよいよ「補助事業」開始となりました。
ここからも沢山の書類との戦いが待っているのです。
当然ですがこの時点で、まだ補助金は1円も入金されていません。
やっぱり、「タダほど怖いものは無い」のですよ。

次回からは、事業実施中や終了後にやらなくてはいけない事について説明させて頂きます。

この連載の担当は・・・

【連載】補助金・助成金申請で大きく勘違いされていること その8
渡辺 太志
(株)アイズモーション専務取締役
http://www.eyezmotion.com/

某大手機械メーカーに開発職として勤務。
その後、海外事業部で中国で一からの工場立ち上げに技術者として参画。その後、大手コンサルファームにてコンサルタントとして中小企業の経営戦略から組織開発までのトータル支援を行う。
特に製造業のネットショップ構築で何を持ってPRすべきかを経営者目線で検討しより優れた戦略・戦術構築を行うのを得意とする。