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01月21日12時30分

パソコンでいい音を楽しむために(その3、DACって何?)

今回までハイレゾリューション・オーディオや、ヘッドフォンについてお話させて頂きました。 そして、今回はまさにPCオーディオの核とも言える「DAC」についてです。 でも、一体DACって何なのでしょう?

DACとは何か?

DAC(デジタル・アナログ変換機)とは、その名前の通りパソコン内部でデジタル化された音楽データをアナログの音に変換するものです。
パソコンはどれほど性能が良くても、音そのものを記録することは出来ません。
そのため、まず音を細かく刻んで、デジタルに変換する必要があります。
ちなみにCDに収録されているのも、アナログではなくデジタル・データです。
その細かさを表現するのが、44.1kHz/16bitという表示です。

そもそも音楽のデジタルデータってどうなっているのか?

まず、音楽をアナログからデジタルに変換するとき、まずその音楽を千切りにします。
CDだと44.1kHzですので1秒間に44,100回刻むわけです。
次に、44,100回刻んだものを読み取ります。
例えば一冊の本を44,100字に刻んでしまうととても読みづらい。
そこで、ものすごい数の目が必要になるわけです。
これを読み取るための方法を「量子化」と言い、読み取る能力は「量子ビット数」と呼ばれ、CDだと16bitになります。
「え?たったの16?」と思う人がいるかもしれませんが、これは16個ではなく2の16乗のことです。
つまり、2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2=65,536という意味なのです。
仮に44,100回刻んだ本を、65,536の目で見ると想像すれば、どうやら読めそうな感じがしますね。
こうして読み取ったものを「0101101」などのデジタル・データに変換して、パソコンなどに入れることができるのです。
そして、このデジタルデータを再生するときに「DAC(デジタル・アナログ変換機)」が必要になるわけです。

DACは本当に必要か?

現在流通しているほとんどのパソコンに、「DAC(デジタル・アナログ変換機)」は入っています。
そのため、パソコンからそのまま再生しても、音楽を聞く事はできます。
でも、本当にいい音で聴こうとした時、問題になるのはパソコン内部の構造にあります。
パソコン内部には、DACだけではなく、数多くの電子機器が詰まっています。
そうなると、それぞれの電子機器が干渉し合って、ノイズなど悪い音の原因になることが多いのです。
そのため、パソコン内部のデジタル・データをUSBなど取り出して、干渉の少ない場所で音を再生させようという機械が、最近流行の「USB DAC」というものなのです。
しかしながら、この「USB DACを買うべきか否か」という論争は今もいろんなところで発生しています。
その上、一般的に売られている「USB DAC」は、ピンからキリまであり、本当に音が良いと言われるものは、目が飛び出るほどの値段です。
そこで、ここでは比較的安価で、取り扱いがしやすく、なおかつ高音質なポータブルUSB DACをご紹介いたします。

audioquest 『USB/DAC Dragonfly version2』

最も小型で、しかも安価。そして、高音質でかなりの人気になっているのが、このオーディオクエストのドラゴンフライ。
こんな小さい機材でいい音がする理由は、内蔵されたシステムにあります。
デジタル・データは先ほどご説明した通り、音を切り刻んだものから作られています。
その切り刻んだデータを音楽として再現するとき、パソコンは自身のテンポで再現します。
でも、音楽そのもののテンポはパソコンのテンポと違うため、音楽になったとき、ほんの少しだけズレて再現されてしまいます。
このズレを失くすために、音楽のテンポに合わせて再生するように作られたのがこのドラゴンフライなのです。
パソコンだけで聞くよりも、ストレートで透明感のある音が、音楽の持っている広がりを実感させてくれる、なかなかの名機です。

オーディオクエスト audioquest USB-DAC/ヘッドホン DRAGON FLY2 ※WINDOWS VISTA非対応 24/96

 audioquest公式サイト

Cambridge Audio 『DACMAGIC-XS』

長年、デジタル・オーディオ界を賑わせて来た、ケンブリッジ・オーディオが満を持して作り出したポータブルUSB/DAC「Cambridge Audio DACMAGIC-XS」
「パソコンの音が悪い理由は、そのパソコンのDACが悪いからです」と言い切るほど、DACの開発に情熱を燃やして来たケンブリッジ・オーディオが、自信作であるDACそのまま詰め込んだ製品です。
mp3からflacなどの高音質ファイルまで、音源に大きく左右されることのない安定感で、純度の高い音楽を再現してくれます。

ケンブリッジオーディオ 超小型USB-DACCambridge Audio DACMAGIC-XS  

Cambridge Audio公式サイト 

Resonessence Labs 『HERUS』

iPhoneでハイレゾ音源を聞きたい!という時、真っ先に紹介されるのが、レゾナンス・ラブスの「HERUS
」です。
最新のDAC(32bit)を使用したためか値段は少し高めではありますが、音の良さは格段に良くなるすぐれものです。
接続を間違えるとボリュームが大きくなりすぎたり、ボリューム調整が荒いという難点はありますが、パソコンでもiPhoneでも使え、なおかつ超高音質(CDの128倍の精密さ!)にまで対応しているという点で、かなり高得点な素晴らしい機器です。

 HERUS

Resonessence Labs公式サイト 

USB DACを使うということ

さて、今回紹介したDACはどれも小さなものばかりですが、「デジタルの音を再現する」という視点から考えれば、決して大きなものが必要ではないからです。
そして、一度アナログの音に変換してしまえば、あとはアンプやスピーカー、ヘッドホンの能力で補うこともできます。
パソコンそのものの音が悪いと思ったら、まずはDACから。
こんな小さなもので意外といい音がするという実感は、なかなか楽しいものですよ。

さて、次回は「アンプ」についてのお話です。