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01月27日12時50分

ご近所トラブル(騒音偏その4)

お隣さんの話し声、歩く音、テレビやオーディオの音、車の音など、 ご近所さんの生活音が気になる! ご近所さんの騒音がうるさいんだけど!? という経験は、誰でもあるのではないでしょうか? それって、法律的にはどうなんでしょう?

大家さんが対応してくれない・・・

前回までで、ご説明しました通り、騒音を出している他の住人に対しては、まずは、大家さん(家主)にその対応をお願いすることができます。
しかし、大家さんがまったく対応してくれない場合もあります。
そんなときは、大家さんに対して損害賠償請求をすることができます。

大家さんに対して損害賠償請求

騒音を出しているのは、他の住人なのに、大家さんに対して損害賠償請求をするのはおかしい気もします。
しかし、法律上、賃貸人(大家さん)は、賃借人(住人)に対し、良好な環境の賃借物件を提供する義務あります。
ですので、大家さんが迷惑行為を行っている賃借人に対して、注意勧告・契約解除等の改善策をとらなかった場合、迷惑行為を受けている住人は、大家さんの債務不履行を理由に損害賠償請求をすることができます。 

裁判でも、次のように判断された事例があります。

【事例】
Y市営の集合住宅の一室に入居したBは、音に異常なほど過敏な他の住人Aから、通常の生活音がうるさいと、怒鳴られたり、暴力を振るわれたりなどの生活妨害を何度も受けていたため、仕方なく、転居しました。
そのことについて、Bは、Y市に対し、債務不履行を理由に、賃貸借の目的物を円満に使用収益できなかったことなどによる財産上の損害及び精神的苦痛につき賠償金の支払いを求めました。

【裁判所の判断】

(1)賃貸人(家主)の義務
まず、前提として、賃貸人(家主)であるY市には、次の2つの義務があります。
①賃借人Bの入居時に、平穏・円満に使用収益できる物件を引渡す義務
②賃借人Bの入居後に、そのような状態を維持する義務
しかし、Y市は、Aの迷惑行為への対応が不十分だったため、
①と②の両方の義務について債務不履行があったと裁判所に判断されました。

(2)損害賠償と慰謝料
裁判所は、(1)の義務違反を理由に、BのY市に対する損害の賠償と慰謝料の請求を認めました。

※参考判例(大阪地裁平成元年4月13日)

大家さんは、住人の迷惑行為に対して、他の住人のために、誠実に対応していく義務があるということですね。

 

(次回へ続く)
今回までは、大家さんの対応について、解説してきましたが、次回は、いよいよ、騒音を出すなどの迷惑行為を行っている住人への、直接的な対応を解説していきます。

このコラムの担当は

司法書士 森高 悠太

司法書士 もりたか 法務事務所
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