mp3って、そもそも何のこと?
パソコンやiPhoneで音楽を聞く最大の利点と言えば、大量の音楽を持ち運んだり、取り扱えることだと言えます。
これは、大量のCDを小さなパソコンに入るようにデータを小さくする「mp3」などの技術の発展によって、可能になりました。
一般的に「mp3」と呼ばれるこの技術は、もともと「Moving Picture Experts Group Audio Layer 3(MPEG3)」(動画専門家集団による音響形式 第3層型)というとんでもなく長い名前の省略です。
簡単に言うと「大学や研究機関のパソコン専門家たちが作り上げた音楽ファイルとしては第3の規格品です」という意味であり、とにかく音楽のサイズを小さくすることを念頭に置いて作られた技術です。
そのため、決して音が良いわけでなく、通称「非可逆圧縮」と呼ばれます。
音楽を圧縮するということ
「非可逆圧縮」とは、CDのデータを圧縮したけど、逆に圧縮したものを広げても元通りにならないという事です。
どれぐらい圧縮されているかと言うと、CDの場合はおよそ1411kbpsというデータ量になりますが、一般的なmp3だと128kbps、だいたい11分の1のサイズになっているわけです。
数字だと実感がわきませんが、たとえば300グラムのステーキがあったとして、同じぐらい圧縮したとすると、27グラムのステーキになります。
つまり、20cm近くあるサーロイン・ステーキが、2cmぐらいのサイコロ・ステーキになってしまうのです。
これでは到底満足できそうにないですね。
もちろんデータ音楽は、ステーキのように食べ応えが小さくなるわけではありませんが、やっぱり物足りなさがあります。
実際に聞き比べてみると、やっぱり音の厚みが違うなぁという実感は否めません。
そこで、「やっぱりパソコンでもいい音で聞きたい!」と感じる専門家たちが作り上げた高音質の音楽ファイルが、通称「ハイレゾ」と呼ばれるものです。
高音質の音楽ファイルってどんなもの?
音楽再生ソフトを変えて、ちょっと冒険してみよう。
ただ、これらの音楽ファイルを再生するためには、別途パソコンのソフトや機材が必要になってきます。
iTunesやWindowsMediaPlayerなどのパソコン付属のソフトでも、いくつかの高音質のファイルは再生できますが、高音質ファイルの再生に特化したものもいくつか存在します。
代表的なものとしては以下のようなものがあります。
まずは、ウォークマンからスマホ、タブレットなどにも対応しているソニーの『Media Go』。
MacとWindowsの両方に対応しており、iPhoneでも使える『MediaMonky』。
iTunesを超える多機能型ミュージックソフトウェア『MusicBee』。
Mac専用のシンプルな再生ソフト『Vox』。
スマホやパソコン機器によっては、CD以上の音質で聞けないものもありますが、まずはパソコンの中から。
音楽の再生環境をちょっと見直すことで、いい音を聞く可能性がぐっと広がります。
さて、次回は、いい音の空気感を体感できる『ヘッドフォン』についてのお話です。